世界女性の日、国際女性の日または国際婦女節は1908年、劣悪な作業場の火災で焼死した女性たちを賛えてアメリカの労働者が決起した日を記念し、1909年2月28日アメリカで「全国女性の日」が宣言され、その翌年ヨーロッパでも女性の権利伸張を主張するため「女性の日」を提案しました。

今は多くの国家が、3月の春を告げる日として世界女性の日としています。

今年で110年になる世界女性の日に合わせ、英国の北朝鮮人権団体であるコリア未来戦略は新たな『性奴隷』報告書を出版しました。 英国マンチェスターの朴ジヒョン氏に報告書の内容を聞きます。

RFA英国-パク・ジヒョン　xallsl＠rfa.org 2019-03-08

質問)今回出た報告書が他の報告書と違う点は何ですか?

朴:この報告は短期間でなく長期間にわたって調査し、特に現在も中国で生活している被害者の北朝鮮女性・少女に直接インタビューをし、韓国内にいる経験者たちと一緒に作成しました。また、最初に中国市民と中国内で北朝鮮女性・少女被害者を救出した未公開救出団体と共に、直接中国内の被害者をインタビューした最初の報告書であり、この報告書は信頼性が高いとみられます。報告書には北朝鮮女性・少女の人身売買現況を数値化した図表で詳しく記載しており、被害者状況を容易に把握でき、被害女性の出生地や年齢帯も図表で記載しており、この分野を研究する多くの方々に大きい助けになり得ます。

質問)報告書はどのような内容ですか?

朴:報告書は大きく三つに分けられます。先ず、北朝鮮を離れた女性が人身売買されていることに付いて。二番目に、中国で性的奴隷として生活する北朝鮮女性と路上売春、サイバー売春、強制結婚について。三番目に、オンラインで売春される北朝鮮女性が稼ぐ収入が、年間1億ドルを越えているという衝撃的な内容が入っています。

質問)北朝鮮女性たちが稼ぐお金が年間1億ドルを越えているという部分に対して説明して下さい。

朴:中国で北朝鮮女性たちが売春業で時間当り稼ぐお金は、一人当り30人民元、すなわち4ドルであり、人身売買は1,000人民元から5万人民元、米貨で146ドルから1,773ドルだそうです。

そしてオンライン売春は、全世界に視聴者がいるので、その収益は驚く程だそうです。特に12歳から29歳の北朝鮮女性が売春業に売られますが、彼女たちは北朝鮮から中国に誘拐されて来るそうです。また、15歳から21歳の女性たちは売春業者に強制的に売られ、習慣的売春、直接的な性被害、強姦、直接的な自慰行為、手でからだを撫でるなど性的奴隷としてさらされていることを赤裸々に明らかにしています。オンライン人身売買について詳しく書かれていますが、はなはだしくは、9歳の少女がオンラインで性的な踊りをして売られています。これらの視聴者の多くは韓国人男性だという内容も入っています。

質問)売春業について説明をお願いします。

朴:売春業は中国の法律で違法だと見なされていますが、中国には千万人程度の女性が売春業に従事させられています。北朝鮮女性たちも都市や村におり、女郎屋に通う男性の年齢は20～24歳が10%、18～61歳が17%を占めるそうです。そして、ここで稼ぐ所得は中国国内総生産量の6%を占めるといいます。北朝鮮女性たちの売春業は朝鮮族の女郎部屋主(女衒)、マダム、犯罪組織によって行われています。ある女性は瀋陽の売春業者の監視下で長距離運転手に売られ、臨時労働者が使う宿泊施設に監禁されて数多くの男性と性関係を持たされる残酷な苦痛を体験したといいます。

質問)強制結婚と性的奴隷に対する部分も詳細に記載されているそうですが、その内容をお願いします。

朴：北朝鮮女性が中国人男性に売られた数が出ていますが、インタビューに応じてくれた女性中、一度売られた事例は41%、二度売られた事例は45%、そして三度は7%で、三度以上売られた女性も7%です。

大部分がブローカーによって中国人男性に売られており、彼ら(女衒)は北朝鮮女性が逃げられないように監禁します。また、労働で彼女たちの労働力を搾取し、性的奴隷として搾取し、そして売られた女性が子供を産んでもオンライン売春をさせて金を絞り取る中国人男性の残忍性に対しても詳しく言及しています。また、一部の北朝鮮女性は韓国人男性に人身売買されていると明らかにしました。

報告書は最後に、監禁されて数百万ドルの売春に従事させられている中国内の北朝鮮女性たちの人権問題は、暗い洞窟の中に閉じ込められて表に見えず、数多くの女性たちが中国で犠牲になって亡くなり、小さな救助団体やキリスト教団体、韓国政府そして国際社会がこの問題を傍観している部分、また、中国政府が北朝鮮を離れて来た人々を、難民と認定して彼女たちが願う国に送るべきであり、数多くの脱北女性の生命を救出しなければならないという「対話」が、切実に必要だと呼び掛けています。