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引続きアップする渡江費(中朝国境の川を渡る賄賂)、2,000 万ウォン肉迫

2017.05.19 自由アジア放送

 

  以前の 1,000 万ウォンから、1,500 万ウォン(US$13,300)~1,800 万ウォン(US$16,000) に上がる。脱北を容認する人や幇助するブローカーの減少が上昇の主な原因。

  北朝鮮住民が脱北に負担する「渡江費」が金正恩執権以後、引続き騰勢を見せている。北朝鮮住民 の脱北に目をつぶって金(賄賂)を受取る人が減っているためであると見られる。

  ソウルからモク・ ヨンジェ記者が報道します。 北朝鮮住民が中国に脱出するために北朝鮮国境警備隊などに渡す渡江費が、韓国ウォン基準で平 均 1,500 万ウォン(US$13,300)から多くて 1,800 万ウォン(US$16,000)水準に上がった。 複数の北朝鮮人権団体によれば、渡江費は昨年末から今年の初めに上がったという。以前の渡江 費は 1,000 万ウォン(US$8,900)の水準だったという。

  安明哲NKウォッチ代表は、「北朝鮮住民が豆満江や鴨緑江を越える時に支払う渡江費が、現在 は 1,500 万ウォンの水準に上がった状況です。このお金を払っても、脱北を斡旋するブローカー を探すのは難しい。」と語った。

  脱北しようとする住民が増えたというよりも、脱北を容認する人、幇助する人が減ったのが渡江 費上昇の主な原因と推定される。金正恩執権以後、脱北を幇助した者に対する処罰が大幅に強化さ れたためである。「脱北に関与した者は死ぬ」という認識が北朝鮮社会に広まっていると脱北支援団 体は説明した。

  鄭光日「No Chain」代表は、「以前は国境警備隊員程度だけ買収すれば良かったが、今は幹部を 買収しても脱北が難しい」とし、「少なくとも保衛員と連携していないと脱北できないだろう」と 付け加えた。

  北朝鮮人権団体によれば、渡江費は金正恩執権以後の 2012 年頃から急激に上がり始めて現在 の水準に達した。金正恩執権直前の渡江費は、韓国ウォン基準で 200~400 万ウォン(US$1,780 ~US$3,500)だったという。2000 年代初期には 5 万ウォン(US$45)水準だったとの話もある。

  韓国に入国した脱北者数が急減した時期と、渡江費が急上昇し始めた時点が一致する事に注目す る必要がある。

  韓国の統一部によれば、金正恩が執権する直前 5 年間の韓国入国脱北者数は、2,400 人から 2,900 人の間だった。一方、金正恩執権以後から現在までの韓国入国脱北者数は毎年 1,200 人か ら 1,500 人である。

 

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