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[単独] 北、コロナ患者の家の門に大釘を刺して5人抹殺            対北朝鮮消息筋 “北、隔離者家の門に大釘を刺して封鎖”

朝鮮日報 キム・ミョンソン記者 2020.03.31

 

 北朝鮮咸鏡北道清津で3月初め、新種コロナ ウイルスに感染した一家族5人が抹殺される事件が発生した、と31日知らされた。北朝鮮内部事情に精通した対北朝鮮消息筋は「この家族はコロナ感染と疑われる症状を見せて家に隔離された状況で治療も受けられず、家族全員が家で死んだ」と伝えた。亡くなった5人は製鉄所を退職した老夫婦と娘と婿、その子供であるとわかった。

 

 北朝鮮はコロナと疑われる症状が出れば自宅に隔離させ、隔離者の家の門に大釘を打ち込んで外出できないように封じ込めると分かった。今回コロナで死亡した清津の家族も、家に閉じ込められたまま治療も受けられなかったという。対北朝鮮消息筋は「北朝鮮でコロナで死んでもコロナと言えなないように統制する」「北朝鮮はコロナ清浄国のイメージを維持するために、コロナ伝播状況を隠している」と伝えた。

 

 北朝鮮当局は現在でも、1人もコロナ確診者や死亡者が発生していないと主張している。だが、実際の状況はこれと異なる情況が次から次へ現れている。日本の読売新聞は29日、中朝境近隣に配置された北朝鮮軍部隊で2月末以後コロナ感染と疑がわれる死亡者が100人以上発生したと報道した。読売は「(コロナが)当初、中朝国境近隣で始まり、今は全国に広がっている」「軍訓練が中止された例も出ている」と伝えた。

 

 北朝鮮国営朝鮮中央通信は3月27日、外国出張者とその接触者、風邪の症状者など「医学的監視対象者」が平安南北道と両江道、羅先市など全国で2280人だと報道した。先立ってロバート・エブラハム駐韓米軍司令官も3月13日「北朝鮮も隣の中国で始まった武漢コロナウイルス感染症(コロナ19)を避けられなかったと確信する」と言及した。

 

 対北朝鮮消息筋は「中国人が多く出入りする平壌と平安南北道、咸鏡北道、清津と羅津(ナジン)でコロナ確診者が集中的に発生している」として「北朝鮮当局が取る措置は、隔離と地域間移動統制が全て」といった。コロナ防疫局面で、公務や商売で他地域に移動するには通行証と衛生防疫証を所持しないと不可能だという。消息筋は「衛生防疫証は賄賂を使っても入手し難い」「北朝鮮住民だけでなく隔離解除された外国人も出国が禁止され、移動が制限されて非常に息苦しいと思う」と伝えた。

 

 精通した対北朝鮮消息筋は「北朝鮮は、コロナが空気伝染なので広がれば全滅するかも知れないという危機意識を持っているので、強硬な対応をする」という。北朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は31日、リ・ギョンチョル金日成総合大学副教授の寄稿文で、コロナ非常防疫体系に絶対服従することを強調した。北朝鮮では診断キットなど満足な医療装備がなく、地方の場合まともなコロナ検査は思いもよらない、と伝えた。 

 

 対北朝鮮消息筋は「平壌を中心にコロナと疑われる症状者などに中国とロシアから支援された診断キットを使用するにより陽性反応が出てきた。北朝鮮が国際社会にコロナ防疫物品の支援を要請したのもこうした理由のため」といった。3月28日、国際医療支援団体の「国境なき医師会」が支援したコロナ関連防疫物品が中国の丹東を経て北朝鮮に到着した、とアメリカのVOAが31日に報道した。国策研究所関係者は「北朝鮮当局がコロナ確診者や死亡者がないと主張しているが、北朝鮮内部にコロナ感染による被害が拡散していると見られる」と語った。

 

(訳責:川﨑)

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