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【News111】「自由朝鮮のための宣言文」(全文) Daily NK Japan 編集部訳

 2017年2月にマレーシアで殺害された北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)氏の息子・ハンソル氏ら家族3人をマカオから安全な場所に移したとする団体「千里馬民防衛(チョンリマミンバンウィ)」は1日、同国の金正恩体制を転覆させるため、「臨時政府」の発足をウェブサイトで表明し、北朝鮮を脱出した人々や世界各国に共闘を呼び掛けた。同時に、団体名を「自由朝鮮(チャユチョソン)」に変更した。

同団体がウェブサイトで発表した「自由朝鮮のための宣言文」の全文は以下のとおり。

                 自由朝鮮のための宣言文       2019年3月1日

百年前の今日、先祖たちは無慈悲な迫害と耐え難き恥辱の構造を覆すべく、独立と自由を叫んだ。命を脅かされつつも、啓蒙時代の前兆を知らせた。女性と男性が誰にも渡せない権利を有する時代であり、公正かつ正しい国家が、隣人と調和を成し、皆に安全と幸福を保証する時代だった。

 

しかし、挙事は成し遂げられなかった。こんにちに至るまで数千万の同志たちは、堕落した体制の力なき奴隷となっている。彼らの苦役は、少数の者の腹を満たし、その者らは腐敗で君臨し、想像だにできぬ破壊力だけを育てた。そのように根を下ろした全体主義にひれ伏すかのごとく、心にもないお世辞と貢物を捧げ、事実に背を向ける者には笑顔で手を差し伸べた。

 

ここに朝鮮人民は、不道徳で違法な体制を次のように告発する。

 

食べさせる能力がありながら、数百万人を飢餓で苦しませた罪

政府主導の殺人と拷問、監禁の罪

息の根を締め上げる監視と思想統制の罪

階級による強姦と奴隷化、強制堕胎の罪

全世界で犯した政治的暗殺とテロ行為の罪

わが子供たちの強制労働と可能性抑圧の罪

殺傷破壊の目的による巨大な破壊力の現代兵器開発と流通、残虐行為に使用しようとする者たちと取引した罪

その他、混在した不法行為を犯した罪

 

半世紀が過ぎても、家族を人質として囚われている間、われわれはただ救いのみを渇望した。力があり裕福な国がわれわれの願いを無視したまま、むしろ苦しめる者どもの私利を満たし、彼らをより大胆にするのを目撃した。南朝鮮の繁栄と発展の顕著な業績を見て、彼らが富国強盛の歴史を興す間、その裏に取り残された兄弟姉妹を忘れずにいることを願った。

 

しかし、解放はやって来なかった。

 

先祖と子孫の両方の要求を掲げよう。われわれの魂は、もはや待ってはならないと断言する。われわれも喜びと人間の尊厳、教育と健康そして安全を享受して当然ではないか?自由を要求する。ここに、われわれが耐え忍ぶべき運命と義務を自らに課す。

  

吾等ハ玆ニ奮起セリ 良心ハ我ト同存シ 眞理ハ我ト併進ス 男女老少陰鬱ナル古巢ヨリ活潑ニ起來シテ萬彙群衆ト共ニ欣快ナル復活ヲ成遂セントス 千百世祖ハ吾等ヲ陰佑シ全世界ノ氣運ハ吾等ヲ外護ス著手ハ卽チ成功ナリ 只前頭ノ光明ニ向ツテ併進スルノミト云爾 ※

 

自由朝鮮の建立を宣言する。この臨時政府は、人権と人道主義を尊重する国家を建設するための根幹を立て、すべての女性と男性、児童の尊貴で明確な尊厳を尊重する。

 

この政府が北朝鮮の人民を代表する唯一の正当な組織であることを宣言する。

 

過去数十年間、人道主義に反する莫大な罪を犯した北朝鮮の権力に抗うべく立ち上がる。人類の精神の巨大な汚点である非道な権力を撤廃すべく身を捧げる。

 

反対する。そして抗う。光復という明るい光が平壌に至る日まで、人民を抑圧した者に抗い戦う。

 

肉体的にも精神的に縛られた同胞たちがいるために、われわれは進む。われわれは、すべてのくびきを圧し折るだろう。

 

体制の中で、この宣言を聞く者よ、抑圧者に抵抗せよ。公然と挑んだり、静かに抵抗したりせよ。多くの者が加害者であり、被害者でもある。共に身を投じて、われわれを蝕み、われわれの子どもたちまでをも脅かす野蛮な体制を崩壊させなければならない。この体制内での共謀は、おそらく抗い得ないものであっただろう。今だけが、国と(自分の)名前を取り戻す唯一の機会である。今まで行使した腐敗した権力に対する、愚かな首領神格化集団に対する、独創性と人間性を縛る広範かつ異常な束縛に対する、このすべての忠誠について、免罪されるだろう。われわれはもはや、被害者ではなく勝利者だ。

 

志を同じくするディアスポラ同志よ、革命に参加せよ。数千年の歴史、先祖の犠牲と数千万同胞の共有された遺産は、元いたところを取り戻せと泣き叫ぶ。偶然によらなければ、自由に生まれた同胞たちも奴隷となっていただろう。業績と勇気が、生まれつきのものだったり犠牲と引き換えに得たりした才能が、この時のためのものではなかったと誰が知ろう。

 

この体制を正当化し、維持しようとする者どもよ、歴史は、選択が与えられたときにあなたがどの側に立っていたか記憶するだろう。

 

過去の独裁と抑圧の傷を持った国々よ、われわれと連帯することを要請する。われわれとあなたの自由のために。

 

理想を共にする全世界の仲間たちよ、過去にわれわれの痛みを知らなかったとしても、今日にでも知れば良いのだ。いかに助けるかを知らずに来たとしても、今日そのすべを知れば良いのだ。共に戦うことを求められたことがなかったのならば、今、人類のためにともに戦うことを求める。

 

愛する子どもたちが、さらに一世代も暗黒の中で生まれることを許さないだろう。朝鮮は自由でなければならず、自由になるだろう。立ち上がれ!立ち上がれ、奴隷になることを望まぬ人々よ!

 

恨(ハン)に満ちた歴史の輪を断ち切り、そこから新しい時代を宣言し、新らたな朝鮮のための道を準備する。だからこそ、わが民族の真の情で交わる、より公正で平等な社会を建設する目的と革命の誕生を宣言する。

 

自由朝鮮のために!

 

http://www.cheollimacivildefense.org/

 

※(注:1919年「三・一独立宣言書」から引用)

 

1919年の独立宣言書が読み上げられたソウルのパゴダ公園(現・タプコル公園)で、2019年3月1日「自由朝鮮のための宣言文」が朗読された
1919年の独立宣言書が読み上げられたソウルのパゴダ公園(現・タプコル公園)で、2019年3月1日「自由朝鮮のための宣言文」が朗読された
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