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【News112】「直接、お礼を言いたくて」

 1997年に在中のキリスト教牧師から要請があり、皆様方からの寄付を募り、北朝鮮軍人出身の男性と人身売買被害者脱北女性の救出活動を行いました。その男性から6月30日、7月初旬に訪日したいが、会えるかどうかを問うメールが突然届きました。予定がない旨を知らせると早速、7月5日から7日の2泊3日の訪日が決まりました。「韓国での生活がある程度安定したので、とにかく直接会ってお礼を言いたい」との事でした。

 

救出時、彼を含めて7人ほどがラオスとタイの国境のメコン河を渡ってタイ側に小さなボートで接岸したのですが、場所が背の高い葦と足元は泥の堆積でぬかるんでいる所でした。着岸の際、スニーカーもズボンも泥だらけ。このままでは不正な入境を疑われかねません。

 

他にも同様の女性がいましたので、彼を代表者に選んで近くの市場で新品を購入し、渡しました。その時のことが思い起こされます。

 

5日午後7時40分無事に成田に到着しましたが、初めての外国旅行ゆえ入国カード記載に問題があり、到着ロビーには午後9時過ぎに現れました。そのため上野到着は午後10時過ぎになってしまいました。

 

翌6日の午前中は上野公園と浅草観光の後、昼食を兼ねた歓迎会を月島のもんじゃ焼き屋で催しました。急な歓迎会開催通知にもかかわらず10名弱の方々が出席して下さり、大いに盛り上がりました。当基金が救援して韓国に定住した脱北者の訪問は初めてのことです。

 

これは、牧師さんを通じて彼の携帯番号を知り得たから可能だったのです。

 

7日はショッピングの後、時間的余裕をもって空港へ向かいましたが、飛行機の都合でソウル到着は翌日になってしまい、自宅到着は深夜3時頃になったそうです。

 

彼は現在ビル管理会社に在籍し電気関連の安定した仕事をしており、今回一緒に来た看護師をしている脱北者の彼女がいます。二人は韓国での新たな人生を確実に歩み出しています。私たちにとって非常に嬉しいことです。

 

さらに韓国帰国後、彼から会員になりたいという連絡が入り、私たちの仲間に加わりました。

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