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北朝鮮の人権実態に関する日韓合同セミナー ~在日朝鮮・韓国人、日本人配偶者の北送から60年北朝鮮の人権~ 日韓NGOと「北朝鮮難民と人権関する国際議員連盟」が連携

日韓ともに拉致被害者がいる 

 北朝鮮による深刻な人権侵害問題は、日本の拉致被害者の問題として国民の間に、北朝鮮の野蛮な体質を強く印象付けられている。 

 

 2002年小泉総理が平壌を訪問し金正日書記と拉致被害者の解放交渉で5人が戻って以来何の進展もなく18年が経過しようとしている。この問題は日本国民の間に北朝鮮に対する強い嫌悪感を引き起こし根強い救援運動が展開されている。 

 

 韓国でも500人以上が拉致されているといわれていることから、日韓双方ともに現在進行形の深刻な人権侵害の被害に苦しみ、共通の苦痛を抱えている。 

 

人権改善のための合同セミナー   

 こうした共通の問題を背景に日韓のNGO、「北朝鮮難民と人権に関する国際議員連盟」(共同議長・中川正春衆議院議員)は互いに連携して、北朝鮮による深刻な人権侵害問題の解決に努力を続け、具体的な行動を模索する。 

 

 しかしながらこれまで人権侵害をテーマにして国際会議を開くことはあっても「在日朝鮮・韓国人・日本人配偶者の北送問題」が単独の人権侵害問題として取り上げられることはなかった。

  

 2019年が北朝鮮への「帰国、帰還、北送」から60年になることから「北朝鮮人権改善のために日韓両国が協力を期待」、合同セミナーが開かれることになった。 

 

 セミナーには元脱北者支援民団センターの代表で現民団の呂健二団長から歓迎と共同歩調の期待を込めたメッセージが寄せられました。 

 

日韓両国議員、NGOが発言 ソ連東欧の外交文書の引用も 

 韓国のNGOは社団法人「忘れな草」、日本側は「北朝鮮難民救援基金」、「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」、「NO FENCE」がカウンターパートとなり、12月13日衆議院議員会館で行われた。 

 

 

 韓国側から、社団法人「忘れな草」人権研究所所長のイ・ジェオン弁護士、梨花女子大学北朝鮮学科キム・ソクヒャン教授の発表、日本側から「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」の山田文明名誉代表が報告を行った。 

 

 

 山田名誉代表は、ソ連東欧の外交文書から分かったこととして、「1958年8月から朝鮮総連がおこしたものであり、在日朝鮮人の自発的なものではなかった」と明らかにした上で、「北朝鮮政府の指示を受けた朝鮮総連が、虚偽の説明をし、錯誤させ、北朝鮮に行かせた行為は、まさしく誘拐そのもの」と厳しく指摘している。 

 

北朝鮮の学校教育の現実 勉強するには、古紙も兎の毛皮も必要 

 元脱北者で日本に定住した2人は、北朝鮮での人権侵害について生々しく証言する。   

 

 木下公勝さんは「私は何故、北朝鮮に行き、また日本に戻ったのか」、金順姫さんは「北朝鮮の学校教育」※1について報告した。(※1この証言は2019/12/30に基金HPに掲載しています。) 

 

 印象的だったのは、初等中等学校は無償ではなく、定期的に小学生は古紙を2kg、中学生は5kgとかウサギの毛皮1枚とかをもっていかないと授業が受けられないことになってしまう。ウサギの毛皮は厳寒の北朝鮮人民軍の帽子や手袋になるとのことです。それが準備できない子どもは学校に行けなくなると体験を紹介した。 

 

 教育を受ける権利の制限は、北朝鮮の全土でおこなわれている。「地上の楽園」では「教育は無料」と宣伝したが、これは虚偽の宣伝だと具体例を列挙した。 

 

 また、「忘れな草」戦争犯罪調査委員会委員長のチャ・ドンギル檀国大学軍事学科教授は、討論で「在日同胞、帰還事業、関連国 の立場考察」の相互関連についてふれた。 盛りだくさんの発言で予定時間内には、収まることが不可能と思われたが無事セミナーを消化した。 

 

 最後に脱北者一世、二世で編成された「忘れな草合唱団」の演奏が披露された。 

イタリア歌曲 Ti Scordar Di Me/ 北朝鮮歌曲 故郷の夜/アリラン/わが母国 

 

 最後に盛大な拍手でセミナーを閉会した。 

 このイベントの発言の詳細については下記にアクセスして下さい。 

日本語:https://www.lfnkr.or.jp/ E-mail nkkikin.@hotmail.com 

韓国語、日本語:www.mulmangcho.org E-mail: mulmancho522@hanmail.net 

 

 

  

 

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